旧市街に向け、タクシーには乗り込んだものの運転手に告げる「行き先」の名所なりが全く思いつかない。うろ覚えな地名を言うのも憚れるが、私は思わず「サンフランシスコ!サンフランシスコ!」と連呼した。以前、旧市街で入ったスパニッシュ・レストラン付近に大きな広場があって、確かその前に、サンフランシスコと書かれた古めかしい教会と思しき建築物があったことを覚えていたので、ハバナの市民なら誰もが知っているだろうと……、しかし運転手は分かっているようで、どうも理解できていないようだ。そうなると、一体、どこへ連れて行かれるのかと不安になる。ない頭にムチ打って次に思い浮かんだのが「アンボス・ムンドス」。ここを、このヘミングウエーの定宿だったホテル名を知らないヤツなんて、モグリだろう…的な思いで告げると、漸く分かってくれたようで短く「OK!」の応えが返って来た。しかし私の頭の中は「アンボス・ムンドスは観光客のメインストリート沿いにはあるものの、入り組んだ場所だし道幅も狭くて車が行き交いするようなところじゃない。到着するまでに相当の時間を要するな。メーター、どんだけ上がるんだろう」などと、ヒヤヒヤもんで財布と相談していた。10分も走ると街の風景もガラリと変わり、エントツが立ち並ぶ工業地帯らしき産業道路に出た。雰囲気からしてダウンタウンに近付いていることがそれとなく分かる。その時、車窓の向こうに十字架が見えた。あれこそが、私が初めに目指していたサンフランシスコの十字架に違いない。思わず「サンフランシスコ!サンフランシスコ!」と指さして運転手に告げると、彼は「サンフランシスコ、OK!」とニッコリしてくれた。 どうやら、この辺りは主要道路と主要鉄道が交差するようで、ニューヨーク市内でいうところのグランドセントラル付近と言ったところか。駅舎らしき建物の前を通り過ぎてサンフランシスコ前に無事着いた。後にガイドブックで確かめると「サンフランシスコ広場」となっていて、教会と思い込んでいた建築物はサン・フランシスコ・デ・アシスという名の修道院(写真右)だった。まあ兎に角、旧市街のド真ん中に到着したことで、後は勝手知ったる路地裏界隈、気分もイイ。そろそろ晩ご飯の時間だし、クバナ最後の晩餐はゴージャスに行こうと密かに企む。(次号に続く) *「クバナの歩き方(1)」はこちらからどうぞ! *料金表示はすべて1人あたりの金額です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ:今回までの合計金額=$1673.89 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー CUBA AIR =$322.00/カンクン〜ハバナ(往復) US AIRWAYS =$354.89/ラガーディア〜カンクン(往復) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Telegrafo =$172.00(1人分/3泊/旧ハバナ宿泊) Melia Varadero=$230.00(1人分/2泊/バラデロビーチ宿泊) Melia Cohiba =$95.00 (1人分/1泊/新ハバナ宿泊) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー キューバでの遊興資金=$500.00(445ペソ) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2008年3月14日号(vol.162)掲載 Copyright © 2000-2008 tocotoco, S.Graphics all rights reserved.
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| 2008-03-13 13:48
| キューバの歩き方/2006
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