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クバナの歩き方(21)

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 夕方、一旦ホテルに戻ると、連れは既にシャワーも浴びてぐっすり寝ている。この後、いつ起きて、いつご飯を食べるのかも分からない。起こすのにも気を遣うし、かと言って、ジィ〜と起きるのを待つ、というのも……。ふとデスクの上を見ると、無造作にプラスティックバッグが投げてあり、どうやら単独行動でゲットした「満足いく何か」が入っている様子だった。奴が起きてくるまでに、奴が賛成しそうな今晩の夕飯をガイドブックで探す。余談だが、奴はNYでも何かのオケージョンがあると、グリニッジビレッジにあるスペイン料理で「パエリア」を振舞うか、チャイナタウンの「カニ料理」を選ぶ。どちらも思いっきりニンニク風味で、油ギトギト系。何度行っても、私には辛いキツイ場所である。なぜキューバに来てまで、こんな奴のご機嫌伺いをしなければならないのか、と少々腹も立つが、あと3日間は無難に過ごしたいので、今晩は彼が喜ぶであろうスペイン料理に決めた。クバナの歩き方(21)_f0077769_1316387.jpg
 旧市街でも、お洒落な通り「Oficios」に今夜選んだレストラン「ラ・パエリア/La Paelia」がある。ここら辺一角は石畳で何だかソーホー風。多分、高めの値段設定だろう。人も疎らな店内に足を入れると、3人組のセニョールたちによる生演奏が始まっていた。ウエイターに促され座ったテーブルは中庭のテラスで、上を見上げると、どうやらこの建物自体、2階から上はホテルのようだ。注文は全て連れ任せ。2人とも飲まないのでサングリアの変わりにアイスティーがぶ飲みコースメニューとなる。もちろんアジア人は2人だけ。ウエイターが注文を取る最中「ニッポン?日本人?」と訊いてくる。出たァ〜、と思いつつも「イエス」と手短かに応えると、ヤッタァ!とばかりに「私、合気道。日本人、山田さん師匠。ビザ助けてくれた。感謝、日本人大好き、いい人」みたいな意味合いを英語と日本語、スペイン語を交えて一生懸命伝えてくる。私は、まま、よくある話、と聞き流していると、横で「山田さん。ボクの師匠。彼マージャン上手い。ボクも知っている、山田さんニューヨークで有名。日本の合気道の大センセイ。NY戻ったらキミのこと話す。山田さんきっと喜ぶ」みたいな調子で応対している。またまた、盛り上げようとして話作ってるんじゃ……と、疑っていたら本当の話だという。クバナの歩き方(21)_f0077769_13173428.jpg山田さんとは、NY在住の有名な合気道の大先生で、賭け事の方もお好きなようで連れの雀荘仲間らしかった。ウエイターが言うには、山田さんが海外脱出には欠かせない貴重なビザのスポンサーになってくれたので、彼は晴れてアメリカに渡ることができ、師匠直々に合気道を学んだ弟子だという。「へえ〜、日本人。キューバで結構イイことしてるんだあ」と感心しながらも、連れ待望のパエリアに挑む。(次号に続く

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*料金表示はすべて1人あたりの金額です。
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メモ:今回までの合計金額=$1673.89
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CUBA AIR =$322.00/カンクン〜ハバナ(往復)
US AIRWAYS =$354.89/ラガーディア〜カンクン(往復)
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Telegrafo =$172.00(1人分/3泊/旧ハバナ宿泊)
Melia Varadero=$230.00(1人分/2泊/バラデロビーチ宿泊)
Melia Cohiba =$95.00 (1人分/1泊/新ハバナ宿泊)
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キューバでの遊興資金=$500.00(445ペソ)
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2007年8月17日号(vol.150)掲載
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by sgraphics | 2007-08-13 13:18 | キューバの歩き方/2006
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