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vol.08/BONAIRE - the Netherlands Antilles

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■天然のバイアグラ?「イグアナ・スープ」
 島の北部に向かうと一層自然は深くなる。島最大の湖「ゴート・レーク」に近付くと、水面にピンクの点が見えた。さらに側まで寄ってみると、鮮やかなピンクのフラミンゴが水辺で休んでいる。このボネールには、約1万5000羽のフラミンゴが生息し、島のシンボルにもなっているという。海水と淡水が混ざったこの湖は、島内に2か所あるフラミンゴ群生地の1つ。時には水辺全体をピンク一色で覆うほどの群れが見られるらしい。フラミンゴはとても臆病な鳥で、写真を撮ろうとする人間の気配を感じると、例え300mくらいの距離があったとしても、すぐに飛んで逃げてしまう。想像していたよりも小さい鳥だが、何とも言えない天然のピンクは森に囲まれた湖を、そこだけ夕焼けに包み込んだようなお伽話の世界に染め上げている。vol.08/BONAIRE - the Netherlands Antilles_f0077769_1592837.jpg
 ここで見られる野生動物はフラミンゴだけではない。黒や青、紫といったクッキリした色のトカゲは、ポンと小石を投げると、エサと間違えるのか、どこからともなくウジャウジャ出て来る。こんな大量のトカゲ、一体どこに隠れていたのかと驚いているヒマはない。30匹以上のトカゲが足元をめがけてやって来るので「きゃあ〜、きゃ〜」こっちが逃げ回る。
 そして、忘れてならないのがイグアナだ。家畜が育たず、食糧のほとんどを輸入に頼っているこの島で、唯一、島民の食卓に欠かせないタンパク源となっているのがイグアナだ。島の名物「イグアナ・スープ」=写真上=は、最もポピュラーな料理で、あのグロテスクな風貌を想像して、口にするのをためらうかも知れないが、試してみると、以外と美味。肉は赤身で味は牛肉。しかし、肉と言えども骨が多くて、骨と骨の間の肉をしごいて裂いて食べる、といった感じだ。街のレストランでは、あのゴツゴツとした表皮を薄皮を取り除いて、身の部分だけを調理してサーブしているが、島民はビタミンが一番豊富な表皮も食べるという。強いイグアナは地元の人曰く「天然のバイアグラ」だそうだ。vol.08/BONAIRE - the Netherlands Antilles_f0077769_1510763.jpg
 ロバートさんに「今日、イグアナが見られるとラッキーだね」と言われた。ついつい観光慣れしている私たちは「きっと、どこかの名所で捕獲して飼育されているイグアナを、オリ越しに拝見できるのだろう」とタカを括っていた。そんな所はこの島にはない。甘かった。野生のイグアナは、太陽が顔を出すと、木陰から人目につく道端までやってくるという。ツアーの途中、目のいいロバートさんが発見!保護色に変化するため、探すのは容易ではない。それでも木の下にいる体長1mくらいの1匹を見つけた。恐竜の小型版のようだが、色は灰色っぽく、逃げ足が早い。うぅ〜〜。昨晩、コレを食べたのかと思うと、胃がピクッとなった。(次号に続く)
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■ダウンタウンの海岸沿いにあるシーフードという意味の地元レストラン「ZEE ZICHT」=写真左=で、名物の「イグアナ・スープ」=写真上=に挑戦した。中身はニンジン、コーン、ネギ、ズッキーニとイグアナの肉の煮込み。同店ウエイターのパチさんオススメの「カリカリ」(19ギルダー/写真右上)は、白身魚のワーフー(WAHOO)を天日干しにして、身をパラパラ状態にしたものをタマネギやピーマンなどの野菜と一緒に炒めた主菜で、魚のピラフといった感じ。この他、揚げたエビにバナナソースをかけた甘い一品「クレージー・モンキー・シュリンプ」(34ギルダー/同右下)や「コンク貝のフライ」(9ギルダー/同右中央)、「セビーチェ」(9ギルダー)など、一度試してみたくなる料理がそろう。(次号に続く

●BONAIRE - the Netherlands Antillesシリーズ(1)はこちらからどうぞ!
by SGraphics | 2006-11-22 15:11 | ガイドブックにない島
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