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クバナの歩き方(13)

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 多分、ポピュラーなジュースか何かの炭酸飲料だと思うが、その様々な「空き缶」たちが立派な素材となってアートを創り出していた。何軒かの露店で全く同じモノを売っていたので、制作元は1つ(1人?)かも知れない。カラーバリエーションは、どの店でも5種類ほどで、価格も似たり寄ったり。この5色(種類)は、一般に販売されている国産の缶飲料の数なんだろう。すべての箇所が缶の各部と針金類だけで出来上っていて、その素朴な形相が何とも言えず魅了されてしまった。ボディ手前にある手動式シャッターの針金部分を押すと、前のレンズの蓋が開いて、中から舌を出した顔が飛び出す「びっくりカメラ」というワケだ。中でコイル状になって圧縮され、蓋で抑えられていた顔が、カチャ、というシャッター音とともにビロ〜ンと飛び出す仕掛け。実に上手く機能している。どれもこれもカラフルでイイ味出しているので、選びがたい。価格は1つ3ドル程度。連れが「オレもオレも」と土産用に欲しがるので1つの店で粘って、何とか売り子の女の子に交渉し、5つで10ペソにして貰うことに成功した。もちろんお代は私が払う。もっと色々、じっくり見たい気もあり少々未練はあったが、とにかくヤツの顔色からは「もう、いいだろ〜」というのが伺える。よって私のストリートフェアでの収穫はこのカメラだけとなった。クバナの歩き方(13)_f0077769_2105999.jpg
 木陰になっている公園でちょっとひと休み。考えてみれば、ずっと歩きっぱなしだ。ここからホテルまで、最短20分程度で戻れるハズ……と、私は読んでいた。別に次に行くあてもなく、取りあえずは一旦、ホテルへ……といった暗黙の了解の空気が流れている。ホテルを目指して斜め斜めに練り歩くと、旧市街の賑やかな街並みに出合う。途中、面白そうな土産物屋やギャラリーなどが所狭しと軒を並べる。お昼時なので、どこのレストランも活気に溢れ客引きに余念がない。各店からは陽気な音楽が流れて、中には昼からキャッキャと踊り狂っている観光客もいる。我々と、これらハジけた人たちとの旅の違いに、何故か大きなため息がひとつ出た。連れは何をするにも食べるにも飲むにも、手軽なキャッシュがないので、とにかく細かく両替えするしか手はない。暑さにクジけそうになった頃、地元の銀行を見つけて中に入った。ひんやりした空気が心地いい。どこの国も行内に漂う雰囲気は同じだ。いやに天井が高く立派な建物だ。しかし、そこかしこと世界遺産建築物だらけなので、特に興味も持てなくなって遺産に麻痺していた。時間はゆっくりと流れている。私は1つしかない3人掛けのベンチに、ラッキーにも腰掛けて気長に待つだけだ。連れは、例え両替えと言えども、長〜い列を作っている窓口に1から並ぶしかない。(次号に続く

*「クバナの歩き方(1)」はこちらからどうぞ!
*料金表示はすべて1人あたりの金額です。
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メモ:今回までの合計金額=$1673.89
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CUBA AIR =$322.00/カンクン〜ハバナ(往復)
US AIRWAYS =$354.89/ラガーディア〜カンクン(往復)
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Telegrafo =$172.00(1人分/3泊/旧ハバナ宿泊)
Melia Varadero=$230.00(1人分/2泊/バラデロビーチ宿泊)
Melia Cohiba =$95.00 (1人分/1泊/新ハバナ宿泊)
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キューバでの遊興資金=$500.00(445ペソ)
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2007年4月13日号(vol.142)掲載
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by SGraphics | 2007-04-12 02:11 | キューバの歩き方/2006
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