海岸通りに近付くと、やたら崩壊したビル群が目立つ。どうやらハリケーン・カトリーナが残した爪痕のようだ。改装工事に励む若い男性たちがタンクトップ1枚で作業する中、軍関係者らしき制服姿の人もポツリポツリと現れ始めた。どうやら突きあたりにある「プンタ要塞」に着いたようだ。なぜ分かったかと言うと、いきなりデカイ大砲が何基も並んでいたからだ。この要塞はハバナ港に通じる運河を守るために造られ、近年修復を終えたとガイドブックにあった。中は博物館になっていて、コインや宝石などが展示されているらしい。この砲台はちょっと高台になっているので、振り返って旧市街を見渡すと「なるほど!これが世界遺産かあ〜」と頷いてしまう。確かに旧市街から新市街まで180度すべてが一望できる良い眺めだ。 南国に在りがちな、椰子の木が海に沿って植えられ、洒落た歩道などを設えていないところが反ってまたイイ。しかし、当然のこと乍ら何ら露店商も全く見当たらないので「ちょっとノドが乾いたなあ〜、水、水……」と思っても、それを潤すスベはない。海岸沿いにお決まりのカフェがある訳でも、洒落たホテルがある訳でも、もちろんナイ。もうすぐ正午だ。容赦なく照り返す強い日射し。日陰もない。何とか脱水症状が出る前に「飲める水」にありつきたいと、心からそう願いつつ吹き出す汗をハンカチで拭いながら歩く。そんな私を横目に、連れは涼しげな顔で「だからブ〜デ〜(デブ)は最悪だよな」と憎々しげな声でせせら笑っている。「アンタを連れてきたのがサイアク」と心の中で静かに呟く——。 この運河の向こうにそびえ建つ白い灯台は「モロ要塞」で、これら2つの要塞は733mの海底トンネルで繋がっている。この運河の両岸には、この2つの要塞のほか「カバーニャ要塞」「フルエサ要塞」と計4つの要塞が密集して立ち並んでいる。これらの要塞は16世紀後半から17世紀にかけフランスを始め、イギリス、オランダの海賊や軍からの攻撃を防ぐために設けられたというが、最初の襲撃以後は、ほとんど要塞として実際に使用されていたことはなく、主に南米諸国からの金銀を貯蔵する場所となっていたらしい。 海岸沿いを走るマレコン通りは旧市街と新市街を結ぶ主要道路で、交通量も多く、道幅も結構広い。昼間は子供たちが釣りを楽しんだり、ダイビングごっこを競い合ったりとキッズ天国に。また夕方は、夕暮れ時を背景に恋人たちが愛を語り合うロマンチックスポットに早変わりする。さらに深夜になると、客を引くオンナたちの営業の場所となり、ちょっと物騒な感じとなるらしい。どこの国の海岸事情も、似たり寄ったりだ。(次号に続く) *「クバナの歩き方(1)」はこちらからどうぞ! *料金表示はすべて1人あたりの金額です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ:今回までの合計金額=$1673.89 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー CUBA AIR =$322.00/カンクン〜ハバナ(往復) US AIRWAYS =$354.89/ラガーディア〜カンクン(往復) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Telegrafo =$172.00(1人分/3泊/旧ハバナ宿泊) Melia Varadero=$230.00(1人分/2泊/バラデロビーチ宿泊) Melia Cohiba =$95.00 (1人分/1泊/新ハバナ宿泊) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー キューバでの遊興資金=$500.00(445ペソ) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2007年2月23日号(vol.139)掲載 Copyright © 2000-2007 tocotoco, S.Graphics all rights reserved.
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| 2007-02-22 15:44
| キューバの歩き方/2006
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